第8章 *新しいチーム 始動
菅原side
今日も旭に話するって言ってたけど花澄ちゃんきたらまた騒ぎになるだろうな‥なんて思いながらボーッと窓の外を眺めてたら案の定廊下が騒がしくなる
早く探しにいかないとまた絡まれるな‥と思いながら急いで椅子から立ち上がる
教室から廊下に出て人だかりを見つけて駆け寄っていくとクラスメイトの女子に抱きしめられている花澄ちゃんを見つける
「キャー!噂には聞いてたけど天使ちゃん可愛すぎる!ふわふわっ!」
こいつは白崎
恋愛対象が女の子らしいのは知っていたし、なんならずっと花澄ちゃんを紹介して欲しいと言われていた
でも俺だって好きな子をやすやすと紹介したくないし
相手が女の子だろうが関係ない
ついに見つかってしまったか‥
どんどんと近寄っていくと白崎の背中がみえてくる
小柄な花澄ちゃんは女子に抱きしめられてもすっぽりとおさまっているからこちらからは見えない
そろそろ止めに入ろうとした時だった
「ぽよんぽよんじゃんおっぱい!」
『へっ?!』
聞き捨てならない言葉が聞こえて
あたりも一気に騒がしくなる
「おまっ‥ずっりー!」 「俺も俺も!」
誰がお前らに触らせるかっ
思わず声に出してしまいそうな思いを押し込めて、つとめて明るい声で話しかけながら白崎を花澄ちゃんから引き離す
「おい白崎!抱きしめるの禁止ー!」
周りからは気付かれない程の視線で牽制するも悪びれない様子でひらひらと手を振って離れていく
「ちょっとくらいいーじゃんスガー!ずっと気になってたんだもん!またね!天使ちゃん!」
『はっはい!また!』
ぺこりと頭を下げるその姿につい吹き出してしまう
こういうところがまたかわいいんだよな
「んで、今日も旭に会いに来たの?」
部活に戻ってきて欲しいって説得しにきてくれただけなのは分かってるのに、なんか嫉妬しちゃう俺って大人気ないな〜
『そうなんですけどっ‥』
そう言うと
チャイムの音が鳴り響く
『わっ!大変!終わっちゃった!またきますね!』
俺にぺこりと頭を下げてパタパタと走り去ってしまった
その様子を周りの奴らも頬を染めて見つめている
あぁ、頼むからこれ以上可愛くならないでくれ
毎日毎日可愛くなっていく気がして心配が尽きない