第11章 恋慕3−2 花の裁き ヤンデレEND【家康】R18
「別に思い出さなくていい。記憶を無くす前も同じだから。名無しは俺と愛し合って、たくさんこういうコトをしてたんだよ」
左胸の尖端を強めにギュッと摘むと、名無しの身体がビクリと跳ねた。
口を塞いだまま褥に連れて行き、寝かせて着物を脱がせ始めても、彼女はもう抵抗しなかった。
「薬が効いて、気分が良くなってきたでしょ」
柔らかい肌を暴きながら、家康は笑みを浮かべた。
夜に咲く白い花の薬を飲んで生死の境を彷徨ったが、無事に回復することができ、望み通りに記憶を失った名無し。
言い伝えの通りならば、神の裁きを受けた結果、赦されて辛い記憶を消してもらえた事になる。
けれど、今まで調べてきた回復症例より、症状改善の経過がかなり早いと家康は感じていた。
名無しの飲んだ薬には副作用を抑えると考えられる他の生薬を加えていて、研究段階だったけれども効果があったのかもしれない。
ただし副作用が軽かった分、記憶が戻りやすい可能性がある、家康はそう仮説を立てた。
どうやら生薬の組み合わせには有効性があるようなので、もし記憶が戻った時のために、白い花の成分をかなり薄めて他の成分を組み合わせた薬を作った。
副作用が無く、戻りかけた記憶を再び消去する薬。
(仮説は正しかったな)
新しい薬を今、名無しに飲ませた。
「フッ…ハハハ!…名無し…神の裁きなんて無かったね…。俺は自分の知力で望みを叶えた。あんたを手に入れた」
高笑いしてから名無しに口づけて、家康は囁く。
名無しの思考はぼんやりと霞んでしまっていて、家康の言葉に理解が追いつかない。
「愛してる…愛してる…愛してる…」
ちゅっ…ちゅっ…ちゅっ…
家康はうわ言のように繰り返しながら、
額に、頬に、胸元に、口づけを落としていった。