第8章 恋慕1 恋の暴走【家康】R18
(だめ…でも…)
湧き上がる快感にさらわれる。
気持ちよくてたまらなかった。
とうとう、名無しの身体から力が抜けた。
再び閉じた目に涙が浮かぶ。
家康は夢中で名無しの胸に溺れ続けていた。
ちゅっ、ちゅっ…
ちゅぱっ…
いやらしい音と、時々漏れる名無しの切ない喘ぎ声だけが部屋に響いた……。
かなり長い間、胸を弄られ続け、名無しの思考はもはや霧に包まれたようにぼうっと白濁していた。
胸から顔を離した家康は、名無しが緩んだ表情でぐったりとしているのを見て薄く笑みを浮かべた。
名無しは感じて、陥落しつつある。
家康の中に渦巻いていた支配欲が満たされてきた。
彼女の手の拘束を解放する。
「もう、抵抗は諦めた?」
その言葉に名無しははっとして襦袢の胸元をかき合わせた。
頬を押さえられ家康の顔が近づく。
(…だめ…!!)
名無しは必死に家康の胸を押し返し、立ち上がって逃げ出した。
家康はまだ彼女が拒否する事に一瞬驚いたが、反射的に立ち上がる。
戸口へ走る名無しの襦袢の背の部分を掴み、剥ぎ取った。
蝋燭の灯りに照らされた白い襦袢が宙をひらりと舞い、やがてくたりと床に落ちる。
「裸で逃げられる?」
一糸まとわぬ姿の名無しに、家康は意地悪な声で問う。
(ああ…なんて綺麗な身体)
襦袢を拾おうとした名無しの手首を強く引き、よろけた身体を腕に抱きしめる。
「逃がさない」
家康の大きな手が名無しの胸をぎゅっと掴み、その尖端を強めに摘む。
「やぁんっ!」
今は、軽い痛みも快感の増幅になってしまい、思わず名無しの甘い声が漏れた。
「可愛い声…もっと聞かせて」
家康の空いた手が名無しの太ももをまさぐる。
するりと長い指が脚の付け根をかすめると。
ぴちゃ…
「ひゃぁっん!」
そこはぐちゅぐちゅに濡れていた。
「こんなに濡らしてるクセに、本当に逃げようとしたの?」
「や…ぁあ」
(なんでこんなに…感じるの…?)
無骨に胸を揉まれ、首筋に口づけされながら太ももを撫で上げられ、名無しの体から力が抜ける。