第8章 恋慕1 恋の暴走【家康】R18
クチュクチュ…
耳を舌で愛撫されると頭の中に直接いやらしい音が響く。
「俺の理性、とっくに無くなってる。あんたの理性も壊してやるよ」
「んんっ」
「ずっとこうしたかった。口づけたらあんたはどんな反応するかなって、考えたりしてた」
ちゅっ
ちゅっ
唇を押し付けながら家康が低く囁く言葉に、名無しの肌は更に紅く色づいていく。
「想像よりずっといい反応」
今の家康のこんな姿、今まで名無しは想像もできなかった。
理知的で女なんて一切興味無さそうなのに、今は雄の顔。
(私に欲情してる…)
そう思うと、名無しの中にも今まで感じたことのない衝動が湧き上がる。
雄の本能的な姿、欲情している姿に欲情してしまう。
普段と全く違う顔に惹かれてしまう。
無理矢理されているのに。
(ああ、もっと触れられたい…めちゃくちゃにされたい…)
火がついたみたいに、どうしようもなく全身が熱く、敏感になってしまっていた。
家康は、両手で名無しの双丘を揉みながら、口づけを耳から下の方へと落としていく。
腰紐をほどき、襦袢の衿を完全に開いて、名無しの上半身を裸にする。
桜色の実のような胸の頂きをそっと指先で触れると、そこは既にピンと固くなっていた。
「ぁん…あぁ」
名無しは頭を後ろにそらし、甘い吐息を漏らした。
(ダメ…もうこれ以上は…)
「気持ちいい?」
名無しはまた、ぶんぶんと首を横に振った。
「ねえ、素直になれば?」
名無しの左側の胸の尖端を口に含む。
「ぁんっ!」
ちゅっと吸い上げたり、舌先で転がしたり…。
名無しは目をぎゅっと閉じて体を強ばらせ、縛られた手を爪が肌に食い込んで痛いくらい握り合わせる。
必死に耐える。
(感じちゃだめ、私には信長さまが…)
家康の愛撫は止まらない。
思いとは裏腹に快感は湧き上がってくる。
やがて右胸も家康の指に捕らえられた。
「ぁあ…んんっ!!」
(…だめ!!…)
名無しは目をそっと開けた。
長いまつ毛を伏せた家康が、名無しの胸を貪っている。
整った綺麗な顔して…こんなことをしてる…
名無しの下腹部が、ぎゅんっ、と疼いた。