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イケメン戦国 書き散らかした妄想

第26章 五色の夜 春日山城編1 【兼続】


眠い…。でも頑張らなきゃ…頑張らなきゃ…

やがて、首が前にガクンとかたむき、ガツン、と文机に頭をぶつけた。

「大丈夫か?」

「はい…せっかく兼続さんに教えていただいてるのに…」

寝ちゃ駄目、そう思ってもまぶたが重く、みるみる閉じてしまう。

「まったくお前は困ったものだ…」

呆れたような

だけど、どこか優しい兼続さんの声

いい香りと温かさに包まれたのを感じると、私の体はふわりと浮き上がった。






目を覚ますと、見慣れない天井。

私は布団で寝ていた。

えっと、ここはどこだっけ?

横になったまま見渡すと、2メートルくらい離れたところに兼続さんが座っていた。

着流しではなくカッチリとした着物姿で、机に向かい書簡に目を通している。

風は止み、部屋にはすでに朝日が差しこんでいた。

やばい、私寝ちゃったんだ。

急に頭が冴えて一気に思い出してガバッと体を起こした。

「す、すみません!!」

「よく眠れたか」

「は、はい。じゃなくて、なんて失礼なことを!指南の途中だったのに寝ちゃうなんて…」

どうしよう…。怒ってるよね。

「いい。そもそもお前は失礼どころの騒ぎじゃない」

「……すみません…あの…運んでくれたんですか?」

思いっきり迷惑かけちゃった。

「お前の運搬など大したことではない。それより」

兼続さんは私の方に向き直り、真っ直ぐに視線を合わせた。

私はそそくさと布団から出て、きちんと正座する。

「昨夜も言ったが、お前の無知は危うい。非常に心配だ。俺だったから良かったものの…」

「…はい」

「もう帰れ」

兼続さんはふいっと私から目をそらし、くるりと体の向きを変えて机に再び向かった。

「はい、お邪魔しました…」

しょんぼりしていた私だったけど、

「学びには賛成だ…。教えが必要なら必ず俺に言え」

こちらを見ずに言った兼続さんのその声で、一気に嬉しくなった。

「ありがとうございます!!」

「迂闊に夜に誰かに教えを請うなよ、いいな?」

「はい!わかりました。またよろしくお願いします。しっかり復習しておきます!」

「こ、こら…騒ぐな」

たくさんお礼を言って、兼続さんの部屋を後にした。
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