第25章 貴女を意のままに4 【三成】R18
その夜
湯浴みを終えて部屋に戻った名無しを、話したい事があると呼び止めた三成。
二人で向かい合って腰を下ろす。
「あれからずっと考えていたのですが…」
三成の神妙な様子に真剣な話かと思い、名無しは佇まいを整えた。
「はい…」
「お話する前に、まず私の膝の上に来てもらえますか?」
「…え?…」
「名無し様を抱きながら話をしたいのです」
「でも…」
予想外の言葉に驚き戸惑う名無し。
「嫌ですか…?」
悲しげな子犬のような目をした三成にそう言われて、
「ううん、違うの」
とすぐに首を横に振った。
「私、重いから…」
「いいえ、全然重くありませんでしたよ」
「?」
抱えられた事は無いのに何でわかるのだろうと不思議に思いながらも、名無しは恐る恐る三成の膝の上に向かい合ってまたがった。
「ああ、やっぱりだめ。三成くん、足を痛めちゃうよ」
「大丈夫です。そんなに弱くはありません」
三成は、立ち上がろうとする名無しの腰に腕を回して膝の上にとどめた。
「……」
「……」
沈黙が下りる。
恥ずかしく落ち着かなくて、名無しは俯いていたが、しばらくたっても何も言わない三成を怪訝に思い顔を上げる。
「あの…話って?…」
「実は今日…名無し様が私の好きなところをたくさん言ってくださったのが嬉しくて…。私のことをそんな風に見ていてくれていたなんて…」
三成の頬は少し紅潮し、その声は少し掠れていた。
「私も、名無し様の好きなところがたくさんあります。ずっと考えていて、とりあえず100個浮かびました」
「100個も?」
「はい。それを、お話しようと思ってたのですが…名無し様を抱いたら…何だか抑えがきかなくなってしまいました」
名無しの腰に回した腕に力が込められる。
「名無し様に触れてもいいでしょうか?」
そんな事を律儀に聞くのが三成らしくて…。
あくまで真剣な表情に愛おしさが増していき、紫色の瞳を見つめながら名無しは頷く。
「名無し様…好きです」
三成は熱っぽく囁いてから、すぐに名無しの唇を奪った。