第24章 貴女を意のままに3 【三成】R18
政宗は生命力溢れる蒼い瞳で名無しを見つめながら、力強い言葉をかけ続けた。
「だから恐れなくていい。俺がお前をまるごと引き受ける」
「……」
「初めて会った時からずっと、俺は名無しの事が好きだ。だからどうか、俺に機会を与えて欲しい。必ずお前を守り、楽しませて、誰よりも幸せにする」
その声を聞きながら名無しの瞳は揺れ、心の中で色々な気持ちが交錯しているのがわかる。
三成は顔には出さないものの、頭を強く殴られたような衝撃を感じていた。
堂々として、何と見事な告白なのだろう。
姑息な自分と大違いだと思った。
もしも、最初から政宗が名無しの世話係だったなら…
その方が絶対に、彼女は幸せだっただろう。
きっと政宗を好きになっていたはず。
あの事件後も、政宗が力強く受け止めていたなら、術の力を借りずとも速やかに回復させられたかもしれない。
その方がきっと、彼女にとっては良かった…。
そんな想像をしながら、三成は掌に嫌な汗をかいていた。
口の中はカラカラに乾いている。
予想外の政宗の告白。
それに対する答えの暗示なんて、勿論無い。
浅はかだった。
果たして名無しは何と答えるのだろう。
そして…
もし彼女が政宗の告白に心を奪われたとしても、既に暗示で無理矢理三成を好きだと思い込まされているがゆえに、その辺りの矛盾から混乱を生じたり、悩ませてしまうのではないか…
そんな心配もあった。
「名無し、どうだ?」
しばらく俯いていた名無しに信長が声をかける。
「…政宗の気持ちは本当に嬉しい…。ずっと気遣ってくれて、いつも優しくしてくれて…心から感謝してる。ありがとう」
名無しは視線を上げ、政宗を見つめて言った。
「だけどごめんなさい。私は三成くんが好きです」
その言葉に三成ははっと驚き、目を見開いた。
まさか名無しがそんな事を言うなんて。
珍しく動揺が表情にあらわれる。