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イケメン戦国 書き散らかした妄想

第24章 貴女を意のままに3 【三成】R18


数日後、三成と名無しは信長の呼び出しを受けた。

天主に着くと、信長とともにそこで待っていたのは政宗。

穏やかに微笑んで挨拶をしながら、呼び出されたのはあの件の為だろうと、三成は確信していた。

「名無しは順調に回復しているようだな。三成の支えのおかげだろう」

「恐れながら…」

信長の言葉に、深く頭を下げた三成。

「三成、一体何をしたんだ?なぜ名無しは急に元気になった?」

政宗の口調や眼差しが訝しんでいるように感じてしまうのは、三成の胸にやましさがあるからだろう。

「いいえ、私は何もしておりません。名無し様の努力ですよ」

やんわりとそう言い、彼女に受けさせた術の事は伏せた。

自分がいいように使っている後ろめたさから、それを告げる気には到底ならない。

「既に聞いているだろうが、政宗から名無しの世話係を引き受けたいと申し出があった」

信長の言葉は想像通りだったけれど、いざそれを言われると三成の心臓はドクッと跳ねた。

チラリと名無しを窺うと彼女は俯いている。

「どうだ?名無し。政宗の元へ行くか?」

そう問う、凛とした低い声はいつもながらに周囲を圧倒するもの。

世話係ではなくなるなんて、

名無しと離されるなんて考えられない。

暗示通りに断って欲しいと、三成は祈るような思いだったが、名無しの方は見ずに真っ直ぐ正面を見据え続けた。

「申し訳ありません…」

名無しはそう言って床に手をついて頭を下げた。

「せっかくのお申し出ですが、どうか辞退させてください。まだ体調が戻り切っていなくて、環境が変わることに不安があります。いつまた発作が起きるか…。ご迷惑やご心配をかけてしまうから…」

暗示通りの名無しの言葉に三成はホッとしたが、それも束の間で、

「名無し、大丈夫だ。何も迷惑なんかじゃない」

政宗は立ち上がって歩み寄り、彼女の前で膝をついて座った。

「怖い思いをしたなら当然の反応だ。ましてや、お前は平和な時代で過ごしてきたから尚更だろう。大丈夫だ。どんな感情が溢れたって、俺が全部受け止めてやる。泣いても暴れても、ずっと抱きしめる」
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