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イケメン戦国 書き散らかした妄想

第22章 貴女を意のままに1【三成】


「大丈夫です。暗示と、それからお守りやおまじないを与えてください。お守りなら…例えばですが、名無し様の好きな香りの香袋を渡し、辛い記憶が蘇りそうになったら香りを嗅げば平気だと暗示をかけるのです」

「要はこれさえあれば大丈夫、と思えればいいのです。おまじないも何でも構いません。胸に手を当てる、などの行動でも。そうすれば、何か起きた時にすぐに出来ますね」

一連の説明を聞き、与えられた情報の多さに三成は少しの間、目を閉じて頭の中を整理した。

ふーっと息を吐き出して目を開く。

「……私にできるのでしょうか…」

「ええ、最も大切なのは体の回復と心の均衡を取りながら暗示を与える事。名無し様をよく見ておられる石田様なら、それができます」

「でも…上手くいかなかったら…。逆に負担をかけ…名無し様の心を壊してしまうのでは…!」

気持ちが昂り、三成は名無しを抱く腕にぎゅっと力を込める。

「その通りですが、そこまで深く理解しておられるなら心配いりません」

「……」

「幸いにも、石田様のおかげで名無し様には回復できる環境が整っていた。だから決して深刻な状態では無い。必ず元気になられますよ」

「それでは早速やってみましょう」

不安は拭えないものの『必ず元気になる』という言葉に背中を押された三成は、術師たちの指示通りに腕の中の名無しに呼びかけた。

「名無し様……ここには…貴女の体や生命を脅かす存在はいません…夜は安心してぐっすり眠る事ができる…。そして疲れが取れ、朝には気持ち良く目覚められる…」

緊張で声が震えながらも何とか言い切ると、術師たちに誉められた。

「この後に目覚めさせますが、名無し様はこの状態で身に起きた事は全く覚えていません」

「忘れる…のですか?」

「ええ、そうです。ですが暗示は残っています」

本当だろうか?
三成はまだ半信半疑だった。

「それでは…今後また暗示をかけるには、どうしたらいいのでしょうか?」

「はい。これをお貸ししましょう」

女性術師が懐から取り出したのは厚みのある布でできた包み。

開くとそこには鈴が2つ入っていた。
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