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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第11章 *File.11*


「三対一、ましてや男三人対女一人。どう考えても君に勝ち目はないと思うけどー?」
「それは今直ぐに、三対二に変更してもらいましょうか?」

時間稼ぎは成功。
彼らの背後から、珍しくドスの効いた低い声が響いた。
後を付けられているのに気付いて直ぐに喫茶店に入りお茶をしてから、帰り際に御手洗に寄って、零に連絡を入れた。
スマホに入れた、GPSが役に立ったわ。
全然嬉しくないけど!

「アンタ…」
「この女、の…?」
「僕を知っているのなら、話は早い。どうやら君達は、僕を本気で怒らせたいようですね」

怒りを静めるためか、大きな両の掌を何度か開いて、閉じて。
ゆっくりと深呼吸を一つ。
あくまでも今は、安室透として。

「お前みたいな優男に、何が出来るってんだよ?」
「三対一で余裕じゃね?」

三人は顔を見合わせて、バカにしたように笑う。

「だったら、やってみるかい?君達のお望み通り、三対一でね」

零は挑発するかのように、フンと笑みを浮かべて前髪をかきあげた。
ストレスが相当たまってる?

「さっさとコイツをシメて、存分にヤろうぜ」
「だな」

ちらりとこっちを振り返って頷き合うと、拳を振り上げて、一斉に零へ向かって行った。

「彼女には指一本触れさせるつもりはありませんので、全力で行かせてもらいますよ」
「……」

そういう漫画みたいなカッコイイセリフを、文字通りにカッコよく決めちゃうのが、零だわ。
こういう状況なのに?こういう状況だから?胸がキュンキュンしちゃう。
のは、零にはナイショ。
元々喧嘩が強い上に警察学校時代で鍛えられ、更に陣平直伝のボクシングも加算された零は、半端なく強い。
そしてまもなく響いた、大きな鈍い音は三回。
案の定、三人は一発K.O.だった。
相手が悪過ぎました。

「まだこっちに来るな」

視線が合うと、倒れた三人の向こうで零に止められたから、進みかけた足を止める。
そう言いながら、零がポケットから出して来たのは、長い結束バンド。

「……」

ドラ○もん、ですか?
何処まで用意周到なの?

「無事か?」

手際よく男達の両手足を縛り上げてから私のトコまで早足で歩いて来ると、零は私をきつく抱き締めた。


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