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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第25章 *File.25*外伝*高校生編*


「よかった」
「!」

夕暮れに映える、安心したような柔らかい表情。
不意打ちはズルいなあ、もう。
ゼロの表情一つで、このココロはキュンキュンときめいてしまう。
この、天然ヒトたらし!

「二週間もシてない」
「もっ?!」

って、ちゃんと日数数えてたの?!
半分は女のコの日だから、仕方ないとして?
残り半分は、お互いが全国大会に出場することになって、部活でバタバタしてたから、ですよね?

「普通に、も。だろ」
「…普通?」

一体どういう基準で仰ってます?

「ホントは毎日でもシたい」
「!?」

現感情を表すストレートなセリフに、再びぼふんと顔に熱が集まったのが自分でも分かる。

「可愛いな、雪乃は」
「それも…」

そこで言葉を切ると、ブランコから降りたゼロが私の目の前に立った。

「本心に、決まってるだろ」

視線を合わせたまま腕を引かれて、きつく抱き締められる。

「…ありがと」
「俺は雪乃しか抱けない」
「私も、零にしか抱かれたくない」
「一生、だからな」
「約束よ」
「ああ」

私達はまだ無力な子供だけど。
これから先の長い人生、今みたいに傍で共に歩んで行けるかどうかさえも分からないけれど。
何時何時、お互いの身に何があるかは分からないけれど。

それを承知の上で、曖昧な、それでも確かな、たった一つの約束をする。

「雪乃」

キレイな蒼の瞳の色が優しくなり、囁くように名を呼ばれて大きな手のひらが頬に触れたから瞼を伏せると、ゼロの柔らかな唇がソッと舞い降りて来た。


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