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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第7章 *File.7*


『どんな時も見守ってるよ。お前ら三人を、ずっとな』
「!!」

信号待ちの車内で、零が驚きで目を見開いて私を凝視した。

「萩、陣平、班長からの最後の伝言。もっと早く伝えられたらよかったんだけど、私の気持ちが中々整理出来なくて」
「…そうか」
「みんな元気に笑ってたよ」

そう、あの時のままの明るい笑顔で、優しい眼差しで。

「俺も会える、のか?」
「何時かきっと」
「…いや、やっぱりいい」
「どうして?」
「色々と愚痴られそうだ」
「ふふふ」
「そこは否定してくれないのか?」

信号が青に変わったから、車を発進させながら不満そうな顔をする。

「だって、零がやらかしたこと全部知ってたもん」
「何故?」
「陣平に聞いても理由はよく分からないって。でも、三人とも詳しいことまで知ってたよ」
「……」
「だから、零が何時も最善を尽くしてずっと頑張って来たこと、ちゃんと伝わってるよ」
「だといいが」

普段は凛々しい横顔が、今は少し困ってる。

「可愛い」
「何が?」
「ん?零が、ね?」
「俺にそんなことを言うのは、お前ぐらいだよ、雪乃」
「私だけが見ることが出来る、零の顔?」
「だろうな」
「嬉しい」
「今更だろう?雪乃に隠し事はないよ」
「……」
「疑ってるのか?」
「だって、零はホントにバレちゃいけないことはそれは物の見事にキレイに隠すから、もう隠し事があるのかどうかすらも分からないよ」
「プライベートでは何もない。仕事上でのことは仕方ないからな」
「そこまで言うのなら、零を信じる」
「有難う」

ハンドルから離れてスッと伸びてきた左手が、私の髪を優しくポンポンと撫でた。
素直に見惚れる、穏やかな笑顔と共に。


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