第7章 *File.7*
「ゼロ?」
「さっき、病院の玄関口まで見送りに来てくれてた外科医に、全く同じセリフを言われていましたよ」
「最初から居たのね!」
「「「「ハッハハハ」」」」
キッとゼロを睨んだら、みんなに笑われた。
何故、私が笑いモノに?
「雪乃」
「うん?」
「退院おめでとう」
「有難う。って、もしかしなくても、そのために来てくれたの?」
わざわざ長野から?
髪を撫でられて、目をパチパチさせる。
「ええ、久々の休暇を兼ねて。大切な妹のため、ですからね」
「有難う、高兄」
嬉し涙を隠すようにもう一度、高兄にぎゅうと抱き着いた。