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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第7章 *File.7*


「雪乃と彼が一緒にいるところはまだ見たことが無いから、どうとも言えない。が、正しいかしらね」
「そう、ね」

ゼロとごく普通の恋人同士のように一緒にいられるようになったのは、つい最近のこと。
なのに、私はこの有り様。
ごめんね、ゼロ。

「雪乃は、自分が死にかけてまで彼女を助けたことに、後悔はないの?」
「後悔してるのは、こうして志保やみんなに心配かけたこと。美和子を助けたことは後悔してないよ。あのまま、美和子が撃たれるのを見てた方が後悔したわよ、絶対に」

大切な人の大切な娘さん。
今では、彼女は私の大切な友人の一人。
助けない理由なんて、何一つとしてないでしょう?

「それ、彼が聞いたら、なんて言うかしらね?」
「納得はしてくれない。でしょうねえ。でもそこはお互い様だと、突っぱねる?」
「彼を目の前にして、言えるの?それ」
「むっ、ムリかな?」
「でしょうね」

私の表情の変化を見た志保が、吹き出して笑った。

「そんなこと言ったら、最後」

機関銃のように苦情を聞かされた後、散々甘やかされそうだ。

「最後?」
「怖いことになりそうって話」
「果たして、それだけかしら?」
「一体、何の想像してるの?」
「イチャつく二人」
「志保…それ、言われた方が恥ずかしいやつね」

ズバッと言い切られた!

「だから、言うんでしょ?」
「そんなに分かりやすいかな?」
「雪乃は、ね」
「超イケメンで超ハイスペックなオトコだけど、本来はあんな人の良さそうな顔つきではないし、口調もあんなに丁寧ではないわよ」
「いいの?さり気なく、貶してるけど」
「いやいや、ちゃんと褒めてるし、そこはホントのことでしょ?」
「視線を彷徨わせるぐらいなら、ハナから言わなきゃいいのに」
「風見に聞いたら、分かる」
「彼の部下が素直に頷くかしらね?」
「あー、風見はダメだわ。アレは部下どころか、既に下僕に近い」
「雪乃…」
「ん?」
「貴女、面白すぎるわ」
「それは褒めてるの?貶してるの?って、ん?」
「ついさっきもそんなこと聞かれたわよ、雪乃に」
「「ふふっ」」

私と志保は一瞬間を開けてから、やっぱり顔を見合わせて笑った。


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