第7章 *File.7*
「で?」
「難しいよな。あの雪乃は、ゼロと諸伏が傍にいたからこそ。だと思うと」
「俺はマジなヤツだと思うけどね。雪乃はオンナとしての素材がマジいいから」
「ンなこと、お前らに言われなくてもよーく分かってるっうの」
拗ねたようにプイと顔を背けた松田を見て、萩原と伊達は顔を見合わせて肩を竦めた。
それぞれが、個々にどんな思いを抱えていたとしても、三人の願いはたった一つ。
あの世界で現在(いま)を生きる
未来ある三人に、幸あれ
松田陣平、萩原研二、伊達航の三人が同時に見上げた、真っ白な彼方向こうには、降谷零、望月雪乃、諸伏景光の三人の姿が確かに見えた。
今にも三人の明るい声が聴こえて来そうな、満面の笑みを浮かべて。