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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第6章 *File.6*


「ぷッ」
「?」

帰宅途中に届いた、一通のLINEメッセージを読んで思わず吹き出した。
肩を震わせて笑う私の隣でハンドルを握る零が、不思議そうに首を傾げる。

「蘭ちゃんが、『安室さん、ウチのお父さんの助手なんか早く辞めて、個人事務所を大々的に開いたらいいのに。じゃないと将来困るよね』だって」
「……」

いい歳したオトナが、JKに何の心配されてるの?
高校生らしくない、しっかり者の蘭ちゃんらしい発言と言えば、そうなんだけど。
前を向いたままでも、零の口がへの字に曲がってるのが分かる。

「後ね、『お二人さんの愛の深さを羨ましがってたぜ』だそうです」
「それはいいとして…」

えっ?いいんだ?
さっき、あんだけ派手にやらかしたし?
次、どんな顔して二人に会えばいいの?
ああ~。

「工藤君は蘭さんに、どんな返事を?」
「『そこんトコはなーんの心配も要らねえから、俺が保証する。って言っといたぜ』とのことです」
「やれやれ」

と、ため息混じりに広い肩を竦めてみせた。
当事者以外に、真実を告げることは出来ない。
未だ、安室透が架空の人物であること。
本名である降谷零が、警察庁公安の潜入捜査官だってこと。
ピコン

「安室さんの、ウソツキ?」
「…工藤君から?」
「うん。心当たりがあるの?」
「まあね。で、何時から工藤君とそんな親しい関係に?」

チラリと冷たい視線が向けられた。

「へっ?」

何を今更?
私の交友関係なんて、私が言わなくても全部知ってるんじゃないの?

「しかもアイコンタクトが取れるほど、ポアロでも随分と仲が良かったようだし」
「えっ?」

突然何を言い出すの?
ギョッとして零の横顔を見つめれば、

「こう見えて嫉妬深いんだ。俺も」
「っん!」

俺、も?
短いようで長い信号待ちの間、握り締められた掌と重なった唇が離れることは一度もなかった。


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