第5章 *File.5*外伝*警察学校編*
「お前も雪乃の彼氏か?諸伏」
「今更照れる関係じゃないだろ?」
「煩いよ、ゼロは」
「なんだかんだ言っても、双子は双子か」
班長が面白そうに、景光と雪乃の顔を見比べた。
「似てないようで、よく似てるよ」
外見は全く似ていないのに、ふとした瞬間に双子の強い絆を見せつけられる。
勿論、互いに無意識だから、手に負えない。
「「何処が?」」
と、二人揃って、同じ方向へ首を傾げる。
「うおっ!」
「これぞ、シンクロ?」
「へえ」
「「そこで感心されても…ね?」」
今度は視線を合わせて、頷く。
「また!」
「すっげー」
「双子ってヤツを生まれて初めて真近で見たが、不思議なモンなんだな」
「やれやれ」
お酒も入って、感心やら感動やらでワイワイ騒ぐ三人には新鮮でも、俺にとっては極当たり前の見慣れた光景に、ため息を一つ洩らした。