第5章 *File.5*外伝*警察学校編*
「どういうつもりなんだ?」
「アイツらの前で、堂々と自らバラせって?」
「……」
「バレなければそれでいいし、バレたら話すよ」
「それ、雪乃に言った?」
「雪乃もそのつもりだろ」
「二人でちゃんと話すことをお勧めするよ。誤解を招かないうちにね」
「心配ご無用」
「だといいけど」
「諸伏お前!」
「大人しい顔して、やるねぇ」
「そうならそうと言えよ!」
「水臭いねぇ」
「「……」」
ほぅら、言わんこっちゃない。
こういう場合はどうすんの?
警察学校から少し離れた場所にある、とあるファミレスのテーブル越しに視線で問いかけたら、無言で頭を横に振る。
あれから一週間、ゼロと連絡すら取ってないのか?
いっそ、オレ達が付き合ってることにしたら?
いや、それはそれで後々困る。と言うより、今より面倒臭いことになる。よな?
「「ハア」」
さて、どうする?
「連絡する?」
「景光に任せる」
松田と萩原の痛い視線を感じながら、雪乃はまるで他人事のように返事をする。
「どうして、オレがヤキモキしなきゃいけないワケ?」
「それは私じゃない誰かに言って」
「分かった!」
どうせ何時までも、勘と洞察力の鋭いコイツらに隠し通せるワケがない!
と、開き直ってオレはゼロに連絡を入れて呼び出した。
ら、班長まで一緒にやって来た。
何故?
「みんな揃ったところで早速本題に入るけど、諸伏と雪乃チャンは付き合ってんのー?」
「だったら、降谷が呼ばれた理由は?」
「「「……」」」
萩原の問いにそう班長が突っ込み、三人で沈黙。
誰が説明すんの?
ゼロと雪乃に視線で問いかければ、
「「景光」」
と、反応があった。
何でだよ!
「オレと雪乃は付き合ってないよ」
「けど、以前からの知り合いだよな?」
「既に名前で呼びあってる仲じゃねぇか」
「雪乃とは、生まれた時から一緒なんだから、名前で呼ぶのは当たり前」
「「「ハア?」」」
班長、萩原、松田が三人揃って目を丸くした。
だよね。
そうだよね、分かってるよ。
過去に、こういう反応しか返って来たことないから!