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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第25章 *File.25*外伝*高校生編*


「……」

ヤバい。
緊張がハンパない!
大きな大会に出るのは、これが初めてじゃないのに!
ある日、ある本を読んだのがきっかけで、小学校半ばから習い始めた弓道。
たまたま私と景光には合っていたみたいで、幼心に二人で夢中になって練習した。
そのお陰で過去にそれなりに成績を残しては来たけど、去年末の大会では予選でギリ都内代表を逃し、来年こそは!と、自分なりに頑張って来た。
つもりだ。
そして、最後のインターハイで念願の個人戦代表の座を手に入れた。
大丈夫。
努力は実る、ハズ。
あー、直前まで来て、自信無くなってきた。
落ち着け、私。
にしても。
なんで、同じ個人戦都内代表の景光は余裕綽々で談笑かましてんの!
なぁんか腹立って来た!
集合時間まで後10分、か。

「ちょい抜けるー」
「遅れないようにね」
「うん」

コクリと頷いて、その場を離れた。



「雪乃」
「ん?」

今、高兄の声が聞こえた、ような?
まさか、ね?

「よかった。直ぐに会えて」
「高兄!」

振り返って高兄の姿が視界に入るなり人目も構わずに駆け寄ると、袴姿のまま正面から抱き着いた。

「今から、ですか?」
「…うん」
「おや。貴女でも緊張するんですね、雪乃」

一発で見抜かれた!

「人を何だと思ってんの!」

思わず顔を上げて、睨み返す。

「私にとって雪乃は、可愛い可愛い妹ですよ。いくつになっても、です」
「…高兄」

包み込むような、優しい眼差しは意図的なモノ?
それでもこの身体と心の緊張が解れて行くのを確かに自覚しながら、高兄を抱き締める腕に力を込めた。
やっぱり、安心する。


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