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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第24章 *File.24*


「降谷さん…」
「何だ?」
「諸伏さんと雪乃さんって…」
「正真正銘、血が繋がった双子だが?」
「……あの二人、今直ぐにそちらで引き取ってもらえませんか?」
「くっ」

二日ぶりに顔を合わせた風見が何時になくゲッソリとした表情で呟くから、思わず吹き出した。

「笑い事ではありませんよ!」
「シスコン本領発揮、か」
「それはもう!傍から見たら、不倫現場を見せつけられてるみたいで、いたたまれません」

両親を亡くしたあの事件が、あの潜入捜査が無ければ、二人の兄はここまで妹を溺愛しなかった?
いや、それは無い、か。
あの兄達が兄達で雪乃が雪乃である限り、きっとシスコンであり、ブラコンであることには変わりは無かったはず。

「いっそのこと、バラしてやればどうだ?」
「自分の判断ではムリです」
「まあな」

不倫現場…。
例え方は酷いが、あの双子の通常モード、だろうな。
意識しているのは雪乃ではなくて、景光が、か。

「ますます孤立化している気がします」
「それが狙い、か」
「男も女も彼女に手を出すな、ですか?」
「出そうものなら、覚悟しろ。雪乃はオレが全力で護る。だろ?」
「…やはり」

どの道、デスクワークももう終わるだろう。
一見温厚で好青年な景光だが、ああ見えて、実は抜かりの無い狡猾な性格を持つ男でもある。
あの組織に潜入し、その性格が更に鍛えられたのは言うまでもない。
景光のそんな一面を勿論知っているが、余程のことがない限り雪乃は黙認する。で、それを景光自身も知っているから、タチが悪い。
本当は、何時何処にいても誰よりも俺が雪乃の傍にいて、誰よりも俺が雪乃を護りたいのに。

「やはり、腹が立つな」

過去にも今でもイヤと言うほど、見せつけられている。
二人の絆の強さと深さは。
恋人同士になっても夫になっても、どう足掻いて望んだところで勝てないことぐらい、十分に分かっている。

「?」
「堂々と乗り込んでやるか」
「…ウチに、ですか?」
「ああ」

仮初の安室透として、ではなく。
本来の警察庁公安の立場である、降谷零として。


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