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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第5章 *File.5*外伝*警察学校編*


『カンパーイ!』
は、いいけど、マジで?!
ビールジョッキを掲げながら、オレは何度もこの目を疑った。
何で、この場に雪乃がいるんだよ?!
合コン、の席に!
オレとゼロから一番離れた端の位置に座り、こちらを見向きもせずに、寧ろ完全に無視して烏龍茶を飲んでいる。

「来るの遅かったけど、どうしたの?」
「寮を出る前にスマホが行方不明になって、部屋の中をずっと探してたら、時間ギリギリになったの」
「分かるわ~。見つかってよかったね」
「ベッドと壁の隙間の下に落ちてた。もう手元にないと落ち着かないでしょ?」
「便利過ぎて、みんな依存症になってるよね」
「もう一生手放せない」

「……」

いや、それ絶対ウソだから。
ワザと時間ギリギリに来たに決まってる。
雪乃がココに到着したのは、集合時間一分前未満。
明らかに計画的犯行だから。
オレに事前に連絡がなかったってことは、勿論ゼロにも連絡がないはず。
ゼロもココにいる時点でアウトだからお互い様だけど、まさか別れてない、よね?

「何?」
「今はいい」

分かってるくせに聞くなよ。
内心、不機嫌なくせに。
オレは知らないから。



「アンタはあの中に混じらないのか?」
「私はただの人数合わせだから。体調崩した子の代理」

居酒屋を出て、オレ達の少し前を歩く萩原の周りにキャッキャッとまとわりつく女の子から数歩離れて後ろを歩く雪乃に、伊達班長が声を掛けた。

「名前は確か、望月雪乃さん」
「初対面で覚えてくれたの?伊達君」
「そういう望月さんこそ」
「貴方達、色んな意味で目立ってるから、みんな名前知ってるよ」
「否定は出来ねえな」
「俺のせーかよ?」
「自覚があって何よりだ、松田」
「チェッ」

伊達班長の視線がチラリと松田へ向くと、唇を尖らせて拗ねる。
二人の様子を見た雪乃がクスクスと楽しげに笑ったら、松田がサッと赤くなった顔を逸らした。
我が妹ながら、猫を被ると可愛さ倍増だ。

「チャラいのは嫌いか?」
「話をしたこともない人を好きとか嫌いとは言えないけど、ああいうタイプは苦手かな?」
「だったら、降谷は?」
「はっ?」
「コイツは度が過ぎるほど真面目だぞ?この通りの男前。ただ、喧嘩っ早いのがたまにキズ」


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