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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第24章 *File.24*


「どうして、敬語を止めさせたかって?」
「うん」
「オレが嫌だから」
「へっ?」

階段を下りる途中で思わず立ち止まって顔を上げたら、

「刑事だろうが公安であろうが、雪乃相手にそこまでする必要はない」
「…景光」

私の方に向き直って、景光は真剣な表情で言い切った。
景光が我儘を言うの、久々に聞いた。
でも妹の私にとって、とても嬉しい我儘だ。
何時だって景光は、兄の立場で。
双子なのに、子供の頃から高兄みたいにしっかりしてて優しくて頼りになって、何よりとても賢くて。物づいた頃には、ずっと私を傍で守ってくれてたの。
零と出逢ってからは、景光に彼女がいる間を除いては、何時も三人一緒だった。

「…カッコつけてるけど、裏を返せば、ただのシスコンなだけじゃん」
「悪いか?」

今は二人きりだから隠すつもりが全くないのか、シスコン全開のまま、仕事場の同僚ではない私の兄の表情で、景光は優しく笑う。

「ぜーんぜん悪くないっ!すっごく嬉しいよっ!」

階段の段差で近い場所にいる景光に、躊躇うことなくギュッと抱き着いた。


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