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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第24章 *File.24*


「よかったです」
「同感だ」

主語は敢えて言わない。
貴方が双子の兄で、君が双子の妹で、と。
クソ上層部!
提案したのは黒田管理官だろうけど、これだけは褒めてあげる。
景光の下に付くことを許可したこと、だけは!
何時の時代も変わらず、周りの女達は面倒臭い、けど!
夫の零の次は、兄の景光か!
慣れたくはないけど、こういう状況にはもう慣れてますから!
この怒りが少し懐かしい気持ちになるのは、私にとって刑事部の捜査一課と言う居場所が、とても心地よかったからだ。
捜査一課強行犯係のみんなは新人刑事達に厳しくはあっても、こんな下らない差別やイジメ的なことは絶対にしなかった。
目暮警部を筆頭に、どんな時も助け合って支え合って、励まし合って仲間をとても大切にする部署だ。
但し、恋愛感情は抜きにして、かな?
美和子を巡って、色々ありましたからねー。
昨年、色々あったけど無事に帝丹小学校の教員である小林先生の恋人になった白鳥は手を引いたけど、他のみなさんがまだ…ね。
美和子は既にアナタの恋人だけど、ガンバレ、高木!
ハハハ。
落ち着いたらまた、美和子達に連絡しないと。
きっと、心配してくれてる。

「雪乃?」
「!?」

耳元で名前を呼ばれてフッと我に返ったら、PCに向かって座る私の直ぐ真横で視線が合った。
ワザと気配消すのは止めて。

「どうかしたのか?」
「いえ、何も」

そう訊ねながらも、その目はいたずらっ子が悪戯に成功して喜んでるんだけど?

「似合ってるよ、その髪」
「…ありがと」

音量を落としてそう言った後、頭をポンと撫でられる。

「それと、望月はオレとは同期なんだから、これからは敬語は止めるように」
「えっ?さすがにそれはちょっと…ね?」

マズイでしょ?

「先輩からの命令」
「……」

刑事部ならまだしも、此処は公安部よ?
ペーペーの新人に、そこまでする必要があるの?

「命令だから」

視線で問いかければ、珍しく有無を言わさない強い口調で返事があった。

「承知、しました」

あるのね、必要が。
仕方ないから、私が折れます。
私の兄達は、こう見えて中々の頑固者なんです。
仕事をするフリをして、私達の会話に聞き耳を立てている周囲の同僚に聞こえる音量で返事をしつつ、私は頷いた。


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