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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第24章 *File.24*


「ひ、さしぶり」
「久しぶりね、諸伏君」

あー、背中がムズ痒い。
赤の他人のフリなんて、一体何年ぶり?
お互い警視庁に配属されてからは、管内で会うことすら無かったもんね。
景光も私が髪を切ったことを知らなかったから、 そのことに驚いたようだった。

「…知り合いか?」
「望月とは同期です」
「って、警察学校のか?」
「ええ」

零からも話は聞いてはいただろうけど、声を掛けてきた私を見下すような同僚達の様子で、景光には私の立場が瞬時に理解出来ただろう。

「望月は、今日からオレと動いてもらうよ」
「へっ?」
「上からの命令だ。拒否権はない」
「拒否だなんて、滅相もありません」

ちょっとは気を使ってくれる気になったのか、コノヤロー!
これは黒田管理官の命令だ、間違いなく。

「どうしても手が離せない案件があったから、異動日に間に合わなくて悪かった」
「とんでもない」

ゆるゆると首を振ると、優しい眼差しがそこにあって、此処に来て初めてホッとした。
なぁんか何処からともなくトゲトゲした嫌な視線を複数感じますが、相変わらずモテるのね?
私の双子の兄は。
この通り、見た目も中身もちょーイケメンだから、モテて当たり前!
フンッ!
上層部の間で私の異動が決定した、その時点で私のデータは景光と零同様に抹消されたから、その点は安心だ。
こうなるだろうと安易に予想は出来たから、警察庁公安の零にも確認をしてもらった。

「仕事は捗ってるか?」
「いえ、全く全然」

私は無駄なウソは付かないわよ。

「デスクワークも慣れてもらわないと困るから、早速取り掛かろうか」

だろうな、と、景光の目が物語っている。
ご理解いただき、有難う!

「諸伏先輩、これからご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します」
「!?」

丁寧に頭を下げると、景光が珍しくあからさまに動揺したのを見て吹き出しそうになった私は、顔を背けて必死に堪えた。


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