• テキストサイズ

*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第23章 *File.23*


「珍しいな」

ただいま、と、眠り姫に声を掛けながら、頬に軽くキス。
付けっ放しのテレビは、世界的に有名なファンタジー系の洋画が、30分程前に始まったばかりだ。
暖かいリビングで毛布を被り、ソファでコテンと横になっている。
昼間に景光と出掛けて、気が抜けた、か?
最近色々とあった上に年末年始も多忙で、今日はいい息抜きに、ストレス解消になったのかもしれない。
そう考えれば…。
ああ、景光もそのつもりで、か。
ったく、昔から雪乃の心のさじ加減をよく分かっている。

「俺は嫉妬ばかりだよ」

景光だけではなく、雪乃を取り巻く人間達に。
自分に好意を向けてくれる人には、それ以上の好意を返す。
子供達への愛情、仕事仲間や後輩達への愛情、景光や高明さんへの愛情、そして夫である俺への愛情。
似ているようで、雪乃の中では何処から何処までと、きちんと区切りが付いているようにも思える。
逆に自分が嫌いだと思えば、特に相手から少しでも敵意を感じ取れば、その相手には容赦無い対応をするのは、景光と同じだ。
結局のところ、どんな雪乃であっても俺はそれを素直に丸ごと受け止める。
今思えば、出逢った時から、そうだった。
それを特に疑問に思うこともなく、彼女はそういう感性の持ち主なんだと素直に納得して。
きっと、雪乃にとっての俺もそうなんだろう。
そして、雪乃の双子の兄である景光にとっての俺も。
幼い三人を思い出しながら、とりあえずはバスルームへと向かうことにした。


/ 212ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp