第21章 ＊File.21＊

｢謎だらけの三人やな｣
｢安室さんもか？｣
｢前から思っとったけど、あの人はただの私立探偵ちゃうやろ？｣
｢雪乃さんは？｣
｢不思議な姉ちゃんや｣
｢諸伏さんは？｣
｢一番の謎やわ。けど、諸伏、なー｣
｢名前がどうかしたのか？｣
｢うーん｣

いい加減、思い出せよ。
お兄さんの方とは、キッド絡みで事件解決しただろ？
降谷さんと諸伏さんはそれぞれ、警察庁と警視庁の公安捜査官。
おいそれと正体はバラせない。いや、バラさせはしない。
烏丸蓮耶率いる黒の組織に数年間潜入し、壊滅へと導いた程、あの二人は超優秀な捜査官だ。
同じ黒の組織にいた赤井さんを始め、彼らが信頼する大勢の仲間の協力を得て。

｢先に言っとくけど、俺からは何も言えねーからな｣
｢ちゅうことは、裏を返せば工藤、お前が隠すほどの何かがあの三人にはあるってことやな｣
｢そこは今更否定はしねーけど｣
｢あの三人ちゃうか。安室の兄ちゃんと、諸伏サンやな｣
｢フーン｣

雪乃さんも大概謎多き女性だと思うけどね、俺的には。
そんなに知りたきゃ、せいぜい頑張って調べてくれ。
お前が出した答えに応えるのは、俺じゃねーし。
それに。
あの三人が素直に答え合わせをしてくれるかどうかは保証しねーからな、服部。