• テキストサイズ

*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第21章 *File.21*


「安室さん、職場で一体何をしてるんですか?」
「何って、キ…」

ポアロのドアが外から開かれて、ようやく唇を放せば、真っ赤な顔をした雪乃に口を塞がれた。
工藤君の呆れた表情と、冷たい視線が突き刺さる。

「こういう時だけ素直にならないで!」
「そんなに真っ赤な顔をしてたら、今更何をしてたか隠し切れねーけど?」
「新一っ!」
「雪乃さん、可愛い過ぎ」
「くくくっ」

確かに。

「もう!大の大人をからかわないで!」
「久々やなー、探偵の兄ちゃん。あの事件以来、会うてないもんな」
「おや。誰かと思えば、君もご一緒でしたか」

少し遅れてドアが開くと、そこにはキャップを被った高校生が一人。
大阪府警本部長の一人息子、西の高校生名探偵だ。

「で、その可愛い姉ちゃんは、アンタの彼女なんか?」
「いえ」
「彼女を通り越して、雪乃さんは安室さんの奥さんだ」
「ハア?嫁ッ?!」
「しかも新婚ホヤホヤだぜ?」
「服部平次君、はじめまして。安室の妻の雪乃です」
「へっ?何で俺のこと知ってんのや?工藤、お前が言うたんか?」
「違ぇよ。雪乃さんは警視庁の刑事」
「ハア??刑事?!」

雪乃を上から下までガン見。
今は私服に着替えているから、何処にでもいる可愛らしいお姉さんにしか見えない。
誰が聞いても、まさかの刑事だ。

「見えねえよなー」
「二人して、それは褒めてんの?それとも貶してるの?」
「って、姉ちゃん歳いくつやねん?」
「それ本人に聞くー?」
「僕と同級生ですよ」
「はっ?そもそも兄ちゃんは歳いくつや?」
「三十です」
「三十?!二人揃って、年齢詐欺やないかい!」
「風見と同じこと言ってる」
「いや、風見さんだけじゃねーから。蘭達も服部とまるっきり同じ反応してたし」
「マジか?」
「マジで」
「お互い、老けて見られるよりはいいと思いますよ」
「それはそうだけどさー」

う〜ん。と、不服そうに小さく唸る雪乃の柔らかい髪を撫でた。


/ 212ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp