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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第20章 *File.20*


「うん。でもダメねー」
「ん?」
「零が傍にいたら、私はダメ人間になっちゃう」
「いっそのこと、そうなってしまえばいい」
「えーっ」
「ありのままの雪乃がいい。何より、俺がそう望んでいる」
「…零も?」
「ああ。雪乃の前では、俺もただの一人のオトコだよ」
「そっか…ん?休憩?」

高速に乗って間もなく、指示器を出してサービスエリアに入って行く。

「いや、着替えるためだ」
「…なるほど」

お互い仕事着のスーツ姿のままだ。

「デスクに置いていた手荷物も預かって来てある」
「ありがと」

あの大きな荷物はそういうコト、ね。

「たまにはいいな」
「うん?」
「ハロで出掛けるのも」
「運転しづらくはない?」
「全く問題はないよ。雪乃」
「な…んっ……!」

ハロを駐車するなり不意に肩を引き寄せられ、重なった唇。
真昼間の車内でのまさかの行動に目を見開いたら、タイミングを合わせたかのように零の瞼がそっと開き、直ぐ間近で優しい蒼い瞳と視線が合う。

「っ!」

その瞬間、全身に熱が回るほど恥ずかしくなって、慌ててギュッと瞼を閉じた。

「くっ。可愛すぎ」
「もうっ!」

ホント敵わない。
満足気な零の可愛い笑顔にキュンと胸が高鳴りながらもハロから降りると、大きな紙袋を受け取り、お手洗いへと向かった。


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