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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第4章 *File.4*


元々の二人の立場上、本人達に理由を聞くことが出来ずにいたけど、君も自分の立場を理解した方がいい。と、赤井さんにハッキリとそう告げられた時、ストンと心の重りが落ちた。

「ええ。ずっと昔から」
「えーっ!」

蘭ちゃん、声デカい!
こっち見ないでいいから。
ってかさ、この話の展開って、超イヤな予感しかしないんだけど。

「ど、どうしよ?」
「もう手遅れなんじゃねーの?」

頬杖をついたまま、新一が冷静な分析をしてみせる。

「えっ?」

いや、それは困る!
ゼロ本人は知ってるけど、此処でJKにバラされたらすっごく困る!
景光、やっぱりJK超怖いよ!!

「だったら、雪乃さんの幼馴染の初恋の人って…」
「ら、蘭ちゃん!」

このタイミングで、余計な事を思い出さないで!
あー、口は災いの元だわ!

「僕ですよ」
「!!」

ハナからこれが目的だったんでしょ?と、視線で訴えれば、

「それは僕も雪乃と同じですから」

と、優しい目で見つめられた。
分かった!
もう分かったから!!

「そ、それ以上は止めてっ!」
「今も昔も変わらずにね」
「素敵ですね!初恋同士で、今は恋人同士だなんて」
「!!」

ってか、アンタ達も初恋同士でしょ!!
ああ!言い切っちゃったよ、この優男!!
小声での制止は無駄に終わり、ゆっくりと伸びて来た指先は、恥ずかしさのあまり真っ赤になった私の頬にそっと触れた。

「可愛いでしょう?」
「雪乃さん、顔真っ赤」
「お気の毒さま」

穴があったら、今スグ入りたい!

「どおりで、安室さんってすっごくモテるのに、誰にも靡かないわけね」
「「……」」

いや、それはこの人の本職が一番の原因だろ?
新一はそう言いたげな視線を、ゼロに向けた。

「安室さーん」
「はい。今行きます」

梓さんに呼ばれると、甘い雰囲気はスッと直ぐ様消え去る。

「そうだ。ご注文がまだでしたね」

また、人の良いにこやかなイケメン店員に変身したゼロは、二人から注文を受けるとカウンターへと戻って行った。

「……」

この変わり身の早さは何?
さすが、元トリプルフェイス?


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