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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第19章 *File.19*


「あら、奇遇ね。こんばんは」
「こんばんは。こんな時間にお買い物ですか?」

背後からの聞き慣れた声に振り返ると、やはりそこには宮野志保ことシェリーがいた。

「ええ、牛乳を切らしてしまって。貴方達はデートの帰り、かしら?」
「いえ、二人共仕事帰りですよ」

このスーパーに先に来ていたのは、雪乃だ。
お米が残り少ないねと話していたのが、一昨日の遅く。
近々どちらかが早く帰れる時に買おうかと言うことになっていたから、帰り際に連絡を入れると、このスーパーにいると言うので立ち寄り、雪乃と合流した。

「…志保?」
「久しぶりね、雪乃。新婚だけあって、仲が良くて何よりだわ」
「ホントに直で会うのは久々ってか、一人?阿笠博士は?」

雪乃はキョロキョロと周囲を見回しながら、不安げに訊ねる。

「博士は車で待ってるわ」
「あー、よかった」

カゴを持って一人でレジに並ぶシェリーを見た雪乃が、ホッと肩を撫で下ろした。

「私は一人で平気って言ったんだけど」
「それは絶対にダメ!志保は可愛いから、変な男に狙われちゃう!」
「私より、雪乃の方がよっぽど可愛いから大丈夫よ」
「何言ってるの!年頃の女の子なんだから全然大丈夫じゃないし、私はもう立派なオバチャンだから大丈夫です」

ため息混じりのセリフに、雪乃は手を左右に翳して否定しながら胸を張った。
が、俺の所為だとは言え、ついこないだ大学生に尾行され、またつい先週には久々に乗った電車で痴漢に遭ったのは、一体何処の誰だ?
なのに、オバチャン自慢?

「くっ、くくく」

二人並んだら、余り年齢の差を感じないと言うのは今は黙っておくか。

「どういう意味かしら?」

思わず笑ってしまい、ジトッと睨まれる。

「君が考えた通りの意味で。と言うことにしておきましょうか?」
「やっぱりイケ好かない男ね、貴方」
「おや。ハッキリと言い切られてしまいましたか」

俺は元黒の組織のバーボンであり、今では雪乃の夫。
好かれているとは、ハナから思ってはいない。


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