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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第17章 *File.17*


「我が妹ながら、天晴れです」
「本当に。雪乃の存在があるからこそ今の僕があると、断言出来ますから」
「きっと、 雪乃にとっての降谷君の存在も同じだと思いますよ」
「今も過去も未来もずっと、そう在りたいと願っています」
「有難うございます。心配は杞憂に終わったようで、安心しました」

私はコクリと頷いて、降谷君を見返した。

「ゼロー」
「どうした?」
「そろそろ帰る?」
「そうだな」

腕時計を見て、頷く。

「おや?日帰りですか?」
「明日も非番だけど、最近バタバタしたから」
「これ以上、捜査一課と公安にご迷惑をかけないように」
「えっ?聞いちゃった?」

ギクリと表情が引きつった。

「ええ。黒田管理官から直々に」
「わォ」
「それは私のセリフですよ、雪乃」
「私が悪い。けどさー」

納得がいかない表情で、唇を尖らせた。
原因は雪乃ではないことは、被害者は雪乃自身であることは、重々承知している。

「何時まで経っても子供みたいな顔をして、恥ずかしくはないんですか?」
「高兄の前だから、隠す必要ない」
「!!」

サラリと返された言葉に、さすがの私も絶句した。

「くっ、くくく」
「だから何時も言ってんだろ?ブラコンシスコン兄妹ってよ」
「まさかとは思いますが、普段もこの調子なんですか?」
「いえ。僕と景光の前だけ、ですよ」
「だって、私が一番安心出来る場所だもん」
「やれやれ」

自覚があって、いいのやら、悪いのやら。
喜んでいいのやら、悲しんでいいのやら。

「モテる女は辛いな、雪乃」
「どうして、勘助まで知ってるのっ?」
「さあな」

勘助君が怒る雪乃の頭をポンポンと触れながら、ニヤニヤ笑う。

「高兄!」
「すみません」
「もう!」
「どうしたら、許してもらえますか?」
「その髭剃ったら、許してあげる!」
「「「?!」」」

駐車場へと向かう二人を送りながら、言葉を失い立ち止まったのは、私だけ。

「「くっ」」

勘助君と降谷君は視線を合わせた瞬間、私から顔を背けて吹き出して笑う始末。

「どうする?高兄」

振り返った雪乃が、ニヤリとほくそ笑む。


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