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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第17章 *File.17*


「高明、内線一番に下の受付嬢から電話」
「おや、珍しい。お電話代わりました、諸伏です」

勘助君から受話器を預かり内線ボタンを押すと、

『諸伏さんのお知り合いだと言う方がお二人いらっしゃってるんですが、アポはありますか?』
「いえ、ありません。が、その二人にお名前を聞いていただいても?」

そうハッキリ応えた。
が、同時にピンと来た。
恐らくこの直感は、当たっている。

『東京からいらしたと仰ってます』
「今直ぐそちらへ伺います」

受話器を戻しながら、思わず笑みが洩れた。

「何笑ってんだよ、気色悪ぃな。知り合いか?」
「どうやら、ウチのお転婆娘が突撃帰省して来たようですよ」

この地に、本格的な雪が降る前に。

「ハア?雪乃が、か?」
「ええ。彼と」
「そういや、新婚か」
「妹に先を越されてしまいましたか」
「お前の場合はモテるくせに、オンナ作んねえからだろ?」
「そうですね」
「けど、お前や弟が結婚となったら、大変だな」
「雪乃が、ですか?」
「お互いに、ブラコンにシスコンの自覚がないとは言わせねぇぞ?」
「ヤキモチですか?」
「ンなワケあるか!いい歳した兄妹が、って、毎度毎度心底呆れてんだよ!」
「そう言いながらも、一緒に出迎えには行くんですね」
「…うるせえよ」

署内のエレベーターが1階に到着して扉が開くなり、長いスカートを翻しながら、こちらに突進して来る女性が一人。

「高兄ーっ!!」
「おー、マジで来やがったのか!」

雪乃の後方では、申し訳無さそうな表情でこちらに丁寧に頭を下げる、イケメンが一人。
隣りには、呆れた声を発しながら少なからずも雪乃と突然の再会を喜んでいる、友人。
そしてこの腕の中には、愛しい愛しいの我が妹の温もり。

「おかえり」
「ただいま!」
「ご無沙汰しています」
「お元気そうで、何よりです」
「うん!」

柔らかな頬に触れると、嬉しそうに目を細めて笑う。

「降谷君と雪乃。改めて、結婚おめでとう」
「ありがと」
「有難うございます」

降谷君は雪乃の隣で、深々と頭を下げた。
やはり電話越しよりも、直接会って報告を聞く方が何倍も嬉しいものです。

「高兄は予定ないの?」
「残念ながら、今のところはありません」
「とか言って、ホントは彼女いるんでしょ?」
「何を根拠に?」


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