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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第14章 *File.14*


「僕が此処にいる理由?我が妻を護るために。他に何かあるか?」
「此処は警視庁の管内だぞっ?」
「そうだな」
「お前みたいな一般人が、そう簡単に入って来れる場所じゃない!」
「僕は、君が言う一般人ではない、と言ったら?」
「お前の名前は、安室透だろっ?」
「残念だが、安室透と言う名の人間は実在しない」
「何を、言ってる?!」
「その名は、捜査の上で使用していた偽名。架空人物だ」
「か、架空人物だとっ!?」
「風見」
「はい」

零の一声で、傍に控えていた風見が、驚いて呆然としているストーカーに素早く手錠を掛けた。

「彼は公安だ」
「!!!」

風見が耳元で囁くと、男は目を見開いて零を凝視した。
公安の人間がどういう職務を請け負っているのか、本庁の警察官になれば、嫌でも噂で耳に入るはずだ。

「初めから知っていた、のか?」
「僕と妻は、幼馴染だ」

それが全ての答え。
安室透と言う名の男の本名も素性も全てを知った上で、私は零と入籍したのだと。これでようやく理解出来ただろう。

「その男の身柄は、捜査一課に引き渡してくれ」
「承知しました」
「後は宜しく頼む」
「はい」
「有難うね、風見」
「いえ。ご無事で何よりです」

一礼した風見が、下の階へ男を連行して行った。

「ねえ、一体何がどうなってるの?」
「さあ?僕にもさっぱり」

騒ぎを聞いて駆け付けたらしい、壊れた扉の傍で事の成り行きを見守っていた、捜査一課の目暮警部、高木、美和子。
他には誰もいない。
きっと、零が部下にこの階を立ち入り禁止にさせている。

「これは一体どういうことなんだね?」
「彼らには説明が必要、だな」
「そうね」

元々その手筈だったんでしょう?
だからこの三人だけ、この場に呼んだ。
目暮警部を見遣りながら、零はため息混じりに呟いた。


「貴方、安室透さんじゃないって言ったわよね?!だったら貴方は一体、何処の誰なのっ?」

バンッと別の小会議室のテーブルを叩きながら美和子が零を睨むのを、目暮警部がやんわりと止めた。

「まあまあ。佐藤君、落ち着きなさい。あの男は望月君に付きまとっていたのか?」
「そんなトコです。最近、行動がエスカレートし始めて、何度か帰り道にストーカー行為をされたので、彼に相談を」


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