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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第2章 *File.2*(R18)


長く離れた時間は連絡さえロクに出来ず、身勝手な思いで突き進んで来たのに。
それでも、雪乃は…。

「ぅんっ、やっ…っ!」

自分に向けられた、無償の想いの深さに泣きそうになる。
悔しいほどに切ないほどに何も言葉にはならず、その唇を塞ぐと激しく身体をつき動かした。
雪乃がまた果てて気を失っても、俺自身が果てるまで。
昂った己の感情を、抑えきれるまで。


「…ンっ」
「何度聞いてもクるな、その声」
「零……?」

伸ばした指先で髪を梳くと、重たげにゆっくりと瞼を開いた。
が、直ぐに眉間にシワがよる。

「ん?」
「何時まで?」
「何が?」
「挿ってるの?」
「だから、何が?」
「……」

絶対に言わない!と、紅くなった顔をプイと背ける。
いくつになっても、こういうウブなところは変わらない。

「仕方がないだろう?雪乃に一度触れたら、止まらなくなる」
「またそんなこと言って!今までに一体どれだけの女を誑かして来たの?」
「心外だな。雪乃の方こそ、一体何人の男を誑かして来たんだ?」
「そんな人いるわけない!」

いや実際、雪乃はモテる。
本人が無自覚な分、タチが悪い。
質問を質問で返してやればムキになって怒るから、前髪を避けてキスを一つ落とす。
後にも先にも、俺が抱いたオンナはキミしかいない。
俺は生きてる限り雪乃、キミしか抱けない。
雪乃、キミしか要らないとどんな時も叫んでいる。
俺の身体が。
俺の心が。
俺の魂が。

「もし本当にそんな男がいたら、瞬殺しに行く」
「私だって、同じよ」
「見かけによらず物騒だな、雪乃は」
「零にだけは言われたくない」
「雪乃」
「あっ、っん」
「……っ」

名を呼びながらくびれた腰を抱き寄せ、繋がったまま身体を起こすと、更に雪乃の奥深い場所まで辿り着く。
互いの体勢と呼吸が落ち着くと、ゆっくりと雪乃の腕が首に回された。
在り来りの言葉しか言えないけど、今伝えておくよ。
永久(とわ)の世界などありはしないのだと、俺達は身をもって知っているから。
俺達は、この国の平和や秩序を守る側の立場だから。
だけど本当はキミだけを、雪乃だけを護れる立場でいたいと心の奥では何時も願っている。


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