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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第13章 *File.13*


「結婚してもしなくても、みなさん大好きです!それは変わりませんから!」
「「「お、お嬢…」」」
「ダメだ。余計に泣ける」
「おれも…」
「…一服してくる」
「あ、はい。いってらしゃい」

何故か更に肩を落として、とぼとぼとデスクルームを出て行った。


「何があったの?」
「あら、美和子。おかえり」
「ただいま。で?」

とぼとぼと廊下を歩く先輩方を見送っている美和子が、高木と共に首を傾げた。

「へっ?」
「みなさん、魂が半分抜け掛かってるみたいでしたよ?」
「高木君もおかえり」
「ただいまです!」
「で?」
「あ〜、いや~、その、ね?」
「全然分かんないんだけど?」
「え~、わたくし望月雪乃は、11月7日に…」
「「に?」」
「入籍いたしました。ハイ」
「「入籍っ!?」」

二人は叫んで、顔を見合わせた。

「声デカいから」
「だ、だって…」
「にゅ、入籍って!」
「じゃ、そういう事で」
「そうじゃないでしょ!」

片手を上げてそそくさと退散しようと思ったら、下ろしかけた手をそのまま美和子に掴まれた。

「佐藤、望月借りまーす。ちょっと席外すわよ、高木君」
「は、はいっ」
「「結婚おめでとう!ごゆっくり~」」
「有難うございます」
私達の話が聞こえていただろうデスクルームで高木の返事と複数の祝福の言葉が重なったから、みんなの方へ向き直り、頭を下げて礼を述べた。
他に何か聞かれることあったっけ?
あー、結婚式?
でも誰を呼ぶんだろ?
零の立場上、限られるとは言え、人選が難しい、よねえ?


「相手はもちろん安室さん、よね?」
「ハイ」

正しくは違いますが。

「どうして、もっと早く教えてくれなかったの!」
「連休中は、バタバタしてたもので」

美和子の厳しい視線から逃れるように、空を見上げた。

「ったく。日程は早くから決まってたんでしょ?」
「まあね」
「由美や三池にもまだ?」
「ハイ」

私は自分から入籍しました!って、自慢して言いふらすタイプじゃないでしょ?
そもそも、騒ぎ立てるほど若くもないしー?
一昨日、身内には報告しに行った。
長野に住んでる高兄と祖父母には電話で、私と景光を引き取り育ててくれた、東京に住む、おじさん、おばさん達には事前に連絡をしていたから直接会いに行ったら、四人揃ってて驚いた。


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