第1章 姫君の退屈な日常?
玄関のドアがコンコンと音を立てた
誰か来たみたい
『誰かな?』
ドアの向こう側に届くように声をかけると「俺です」と帰ってきた
『どうぞ〜』
「ただいま帰りました」
『おかえり、恵』
この子は恵、伏黒恵
私の部屋に時折来ては、私の身の回りの世話をしてくれたりする
「また何も食べてないんでしょ…」
『だって今日は恵が来てくれる日だから、ご飯一緒に食べようと思って待ってたの』
「…はぁ」
あ、盛大にため息つかれた、なんで?
『恵、怒ってる?』
「いや、怒ってはないです。とにかく五条先生いない間に何かあったら俺が怒られるんですからね」
『…また私のことで怒られたの?』
「あ、いやっ、…その…」
怒られたんだ
『ごめんね、恵。恵は悪くないよ…、悪いのは全部私だから、ごめんね?』
「…満縷さんも悪くないです」
やっぱり恵ちょっと怒ってる?