第3章 彼女との出会い
冷静を装ってその集団に近づく
「何してるわけ?」
その一言で周りの子供達は静まり返る
いつまでも地面に手をついて起きあがろうとしないその子を抱きかかえ、頭を撫でた
「お前名前は?」
『満縷だよ』
なんと声まで可愛かった
「ふーん、お前が俺の番になるってことか」
『つがい??なあに?』
「俺のお嫁さんになるってこと」
『およめさん??』
イマイチよくわかっていない満縷をよく見ると目に違和感があった
「…お前、目見えてないの?」
俺の質問に一瞬ビクッと反応を見せた
しかし周りの子供が目が見えていないはずがなく、蘆屋家ではよそ者が触るだけでじいさんに殺されるって…
ウケる、でもさ…
「うるさい」
これだけで静かになるなんて蘆屋家もまだまだだな
この家においててもこの子はまたさっきのようないじめを受けるだろう
それなら俺の近くに置いといた方が安全じゃないか?
うん、そうに決まってる
「この子貰うわ」