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影の花

第12章 七変化


「ん」

裾に手を突っ込み、緩く熱を持ち始めた竿を指先で持ち上げる。

先端を軽く揺らし、生唾を飲む。

瑞は硬くなりつつある竿を手で包み込むと、手筒を上下し慰め始めた。

すぐに硬く芯を持って、瑞の呼吸が早くなる。

先端が粘ついた糸を引いた。

「う……」

頬を染め、軽く奥歯を噛み締める。

「あ……っ、あ」

枕元から懐紙を引き寄せた瞬間、

「随分盛り上がってんじゃねえか」

部屋の外から低い声がした。

瑞は慌てて手を止めるも、スッと障子が開く。

「男なら誰でも当たり前だけど、なーんか意外だわ。あんたもそういうことちゃんとすんのな」

夕顔が乱れた服で固まっている瑞を見下ろし、目を三日月形に細めた。

「あ、の……ごめんなさ」

「ビビってんじゃねーよ、別に取って食う訳じゃねえ」

夕顔はそう言うと部屋の中に入り、障子を閉じる。

「少しくらいお前も恥ずかしいとこ見せやがれ、っつってんだよ」

瑞の前にしゃがみこみ、上目遣いに睨む。

夕顔の頬は僅かに赤く染まっていた。
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