第12章 七変化
蘭は眉を寄せる。
「ちょっと、そろそろやめなさいよアンタ達。趣味悪いわよ」
牡丹もいたたまれない表情で頷く。
睡蓮が立ち上がった。
「そうだ、竜胆いい加減にしろ。いくら夕顔の普段の行いが悪くてあまりにも今回のことが面白いとは言えだな」
「……本気なんだ」
竜胆の余りにも良い表情と声に睡蓮は噴き出す。
「ひ、卑怯だぞッ……」
蓮華は居心地悪そうな瑞を横目で見ると、ゆっくりと距離を詰める。
「瑞くんの女装姿か。よっぽど魔性なんだねえ、見てみたいな」
「蓮華さん……ちょっと、距離が……」
「主様が女装……そんな……見た、いや……そんなこと……見た……いや……」
「た、蒲公英さん? あの? 大丈夫ですか?」
竜胆が膝を叩く。
「兄やんがバラした時の夕顔にいの顔と言うたらほんま……!」
「……オレの顔がなんだって?」
水を打ったようにその場が静まりかえる。