• テキストサイズ

影の花

第11章 夜に咲く花


「ちょっと、二人とも! 兄さんが……!」

三人も慌ててそれに続く。

「夜顔兄さん……」

夜顔の部屋の前で、夕顔が不安そうに夜顔に声をかけると、ちらりと振り返った。

「昼、夕、ありがとう。朝によろしく」

「うっ、うん! 朝顔も、兄さんに会いたがってるから! 今度は連れてくるよ!」

そして夜顔は瑞を最後に見、

「よろしくね」

ピシャリと障子を閉めた。

「……個性的なお兄さんですね」

「うるせー」

夕顔は数年ぶりの兄の顔に涙ぐむ。

「本当に……ありがとうございます、瑞さん……」

昼顔も、涙声だった。

「まさかおにぎりでそんな」

「水差すんじゃねえ!」
/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp