第11章 夜に咲く花
「でも、兄弟で陰間なのに僕だけそんなこと言ってちゃ弟に示しがつかないですよね」
「弟?」
「僕、朝顔の兄なんです。そして夕顔兄さんの弟」
「ええ! そうなんですね! 夕顔さんの弟……」
瑞は改めて昼顔の顔を見つめる。
昼顔は人の良さそうな顔で、はにかみ笑いをした。
「あまり似てませんけどね」
「いえ……そういえば、皆さん金色の瞳をして、どことなく似ているような」
昼顔は照れ臭そうに頷く。
「三人兄弟なんですね。お兄さんと弟さんがいるとなると、大変そうですが楽しそうで羨ましいです」
瑞の言葉に、昼顔の表情が曇る。
困り眉を作り、
「……いや、実は兄はもう一人いるんです」
曖昧に笑った。