第6章 火遊び
「すっすみませんっ!」
瑞は思わず頭を下げ、慌てて飛び出そうとすると、青年が目を細める。
「あぁ君、出て行かなくていいから戸を閉めてくれるかな」
「えっ、あっ……、はい!」
瑞は顔を赤くし、言われるがままに部屋の中に入る。
内から障子を閉め、青年の横で正座をする。
同性ながら、彼の発する色気に当てられたように頬が熱くなる。
青年は、敷布団で下半身を隠すだけの姿で瑞に微笑みかけた。
「僕が蓮華。……恥ずかしい所を見られちゃったね」
「い……いえ、勝手に戸を開けてしまい申し訳ありません。瑞、です」
「君のこと、皆から聞いてるよ……僕、気持ち悪いだろう?」
「そんな事……」
「そんなことない、とでも言ってくれるのかな」
「は、はい、気持ち悪いなんてこと、ありません」
瑞が言うと、蓮華は少し身を乗り出す。
「じゃあ、僕って綺麗かい?」
「はい……とても綺麗だと思います。蓮華さん、綺麗です」
瑞の言葉に蓮華の息が荒くなる。
頬を染め、熱っぽい視線を送る。
「あ、あぁ……もっと……もっと、言ってくれ……」
「き、綺麗です……?」
明らかに様子がおかしくなる蓮華に瑞は困ったように眉尻を下げる。