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影の花

第42章 大団円へと


桃を除く陰間たちが参加した影の花の主人の葬式。

滞りなく終わり、影の花に帰ってきた一行。

瑞はさすがに口数少ない皆を見渡す。

「今日は皆様疲れたでしょうし、早めに休……」

そんな気遣いの言葉を、

「まー寿命ね、寿命。長生きした方よ」

蘭が断ち切った。

菖蒲が口元を歪めて笑い、

「憎まれっ子世にはばかる……」

「子じゃないです、おじいちゃんです」

菫が訂正する。

桔梗は慣れない式で凝り固まった腕を伸ばしながら、うんざりとした顔で呟く。

「つーかほんとに嫌だったんだよな〜、あの人」

「好きなやつおらんやろ」

竜胆が笑い混じりに言えば、撫子も頷く。

「よおやっと死んだっちゅう感じじゃの」

「やだ撫子さん、それ酷すぎ〜」

桜はうふふと笑い、陰間たちは次々と履物を脱ぎ捨てる。

足取り軽く影の花に入って行った。

呆気に取られる瑞。

萩は瑞の肩に手を置く。

「……こういう連中なんだよ、瑞」

「えええ……」
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