• テキストサイズ

影の花

第41章 青天の霹靂


「こ、これからどうなるんだ……」

「ああ、胃が痛いです……っ」

「ねえ梅、あの人も死ぬんだネ。あの人美少年の生気吸い取って無限に生きるのかと思ってたヨ」

「今日の酒はさぞかし美味ぇだろうなあ。おい百合、一杯付き合えよ」

「んえ〜? 俺ちゃんあいつの死に顔見てからにするう」

「やだっ百合おにいちゃん怖いです!」

陰間たちは好き勝手な事を言いながらも散らばっていく。

そんな中、一人青い顔をして俯く瑞。

「なんつー顔してんだよ。どう考えても、てめえのせいじゃねえだろ」

「夕顔さん……」

夕顔は怒ったような顔で、泣きそうな瑞を見つめる。

夕顔の斜め上に吊った瞳の金色は、あの日見た月のように綺麗だった。

瑞は肩を震わせる。

「でも。私、は……」

あの日、蒲公英の部屋を訪れなかったら。

不用意な言葉で男を激高させなければ。

そんなタラレバが止まらない。

初めて経験する人の死に対し、自分が引き金を引いた感覚が拭えない。
/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp