第41章 青天の霹靂
「こ、これからどうなるんだ……」
「ああ、胃が痛いです……っ」
「ねえ梅、あの人も死ぬんだネ。あの人美少年の生気吸い取って無限に生きるのかと思ってたヨ」
「今日の酒はさぞかし美味ぇだろうなあ。おい百合、一杯付き合えよ」
「んえ〜? 俺ちゃんあいつの死に顔見てからにするう」
「やだっ百合おにいちゃん怖いです!」
陰間たちは好き勝手な事を言いながらも散らばっていく。
そんな中、一人青い顔をして俯く瑞。
「なんつー顔してんだよ。どう考えても、てめえのせいじゃねえだろ」
「夕顔さん……」
夕顔は怒ったような顔で、泣きそうな瑞を見つめる。
夕顔の斜め上に吊った瞳の金色は、あの日見た月のように綺麗だった。
瑞は肩を震わせる。
「でも。私、は……」
あの日、蒲公英の部屋を訪れなかったら。
不用意な言葉で男を激高させなければ。
そんなタラレバが止まらない。
初めて経験する人の死に対し、自分が引き金を引いた感覚が拭えない。