第6章 火遊び
そんな陰間たちのやり取りを見ていた瑞が手を上げる。
全員の視線が瑞に集中する。
「あの、蓮華さんって私がまだお会いしていない方ですか? どの部屋か教えて頂ければ私が呼んできますよ」
出来るだけ早く皆様とお会いしたいので、と付け加え微笑む。
「おお……」
「瑞〜!」
「瑞兄さん、後光が差してるよ……!」
「それじゃあ行ってきますね」
瑞は萩から部屋の場所を聞き、腰を上げる。
「瑞さん!」
それに続くように睡蓮が立ち上がる。
「はい」
真剣な顔で、先程まで読んでいた本を瑞に手渡す。
瑞が流行りの長編小説の題が書かれたそれを不思議そうに眺める。
「あの、これは?」
「……兄さんが何かしたらこれを使ってくれ。角で頭を殴ればかなり効くと思う」
「は……はい、ありがとうございます」