第41章 青天の霹靂
部屋の前では、蒲公英を気にして集結した陰間たちが耳を澄まし、目を凝らしていた。
明らかな修羅場の様子に、顔を青くする者もあれば、
「な、何やってるんですかあ……!」
「わ〜、おみずすっげえじゃん」
手をぱちぱちと叩く者もいる。
「瑞が殺されちゃうよおっ!」
「大丈夫じゃ、もう少し待てえ」
「蒲公英くんの調子はどない……って何やこの人数!」
陰間たちがいつでも部屋に飛び込めるように準備をする中、障子の向こうでは緊迫した状況が続いていた。
「蒲公英、こっちに来い……! 今なら許してやる……」
よろよろと手を伸ばす男に、蒲公英は首を振る。
瑞にしがみついた。
「嫌です! 蒲公英の主様は、瑞様だけです!」
「っう……く、うう! 貴様……ッ!」
男は強く歯ぎしりし、胸を抑える。
息は荒くなり、目は見開かれ、肩がわなわなと震える。