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影の花

第41章 青天の霹靂


「ゆ、夢のようです……」

ぽつりと零せば、瑞は蒲公英の頬に触れる。

すっきりした白い肌は赤らみ、形の良い茶色の瞳は興奮に潤んでいる。

真っ直ぐ斜め上を向いた眉も緩み、きりっと結ばれた唇が半開く。

見つめ合いながら、瑞は蒲公英の襟に手を入れる。

「あ……」

胸板は子供故の細さと、努力家らしい贅肉の無さで、薄く引き締まっていた。

透き通るような白さに、小さな胸の尖りがささやかで、まるで壊れ物のようだった。

瑞は蒲公英を五月人形のようだと思っていたが、人形と違い彼の素肌は赤に色付き、下半身の膨らみは芯を持ち始めていた。

浴衣を開き、蒲公英のもっこ褌に視線を下ろす。

腰の両端に結ばれた紐、前面のふっくらとした逆三角形の布地。

見慣れた六尺褌と違い、蒲公英のそれは新鮮で可愛らしくも、厭らしくてそそられた。

「う……」

蒲公英は脚を擦り合わせ、俯きがちに頬を染める。
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