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影の花

第39章 枯葉


瑞が心配そうに言えば、躑躅はまた障子を開こうとする。

「呼んでる……」

「ちょっと待って待ってえ!」

「あ、開けますよ?」

瑞は障子に手をかける。

「っう……! もうこれしか……!」

蓮華は風呂敷を掴むと、躑躅の顔を覆い隠した。

すっと障子が開く。

「やあ瑞くん」

瑞は肩を揺らしながら息をする蓮華が現れ、ぎょっとする。

「こ、こんにちは。躑躅さんはどこにいますか……?」

「躑躅くん? 何のことかな」

「え? でもさっき声が」

蓮華はクスッと笑い、

「もしかして、この子のことかな」

風呂敷で顔を覆われ、全裸で息を切らす躑躅を指さした。

「あッ……!」

瑞の顔はみるみるうちに赤く染まる。

蓮華はくすくすと笑いながら、躑躅の風呂敷を上げて瑞に唇を見せる。

熱っぽい吐息を漏らす唇は物欲しげに開き、白い歯を覗かせていた。

「この子は相当な好き者の客なのさ。どうしても僕の部屋でしたいって……ねえ?」

躑躅に視線を投げ、濃い赤に染まった胸の頂を摘む。

根元から潰すように挟むと、躑躅は喉を震わせて嬌声を上げた。

「ふう……っ! ン、おッ……」
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