第38章 飽和
「瑞、可哀想っ。藤くんみたいな加虐趣味の異状性癖者に気に入られて」
「ン……っうぅ……」
瑞は縛られた四肢を捩るも、為す術なく服を脱がされていく。
藤は桜の反対側に腰を据える。
桜を横目で見、肩を竦めた。
「失礼だな、桜のお客がどうかは知らないけど、被虐趣味のある人は案外多いんだよ? 僕はそんな人を満たしてあげる貴重な存在なんだよ」
「知らない! ボクは」
「じゃあ僕は」
二人は声を重ねる。
「優しくしてあげるね……」
「虐めてあげるね」
瑞はゾクリと背筋を震わせた。
二人がかりで服を脱がされ、するすると褌を解かれる。
二人の眼前に晒されたモノに、桜はぽっと頬を染める。
「わー……瑞の、ようやく見れたぁ……」
「まだ勃っていないね。緊張してるのかな」
藤の指先が先端に触れる。
紅を塗った爪がカリ首をくるりと一周し、ひくっと竿が脈打つ。