第38章 飽和
「瑞さんはここが弱いのかな」
「あー! もう藤くん、勝手に触らないでよっ」
桜は藤の手を振り払い、瑞の根元に両手を添える。
「驚いたな、いちいち桜の許可を取る必要があるのかい?」
「ああ、ぅ……ッ」
瑞は思うがままに言われ、触られ、眉根を寄せる。
くぐもった声を漏らすも、手ぬぐいに唾が染みるだけだった。
桜は瑞に視線を落とし、根元を包むように両手をきゅっとすぼめる。
柔らかい手に包み込まれ、内腿がピクッと震える。
「あ、ごめんね? そんな声出さないで。ボクは虐めたりしないから、気持ち良くしてあげるだけ……」
桜は両方の指を重ね、手を上下に動かし始める。
瑞は身体を震わせ、びくっと腰を上向きに跳ね上げる。
「んん……!」
「うふふ。気持ちいーい?」
桜は手の中で硬くなり始めた瑞の自身に微笑み、片手を頭に回す。
瑞の頭を優しく撫でながら、慣れた手付きで扱き上げる。
瑞のそれはむくむくと芯を持ち、天を向く。
「いつでも出していいからね」
桜は慈愛に満ちた目と声で言い、優しく微笑んだ。